ライカM3とニコンSPの比較



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現在、カメラといえば日本製品が主力ですが、昭和40年以前は、カメラといえばドイツ製で、今の給料ベースで考えますととても高価なものでした。昭和30年代は一眼レフは主力ではなく、距離計連動カメラが主力でした。距離計連動といえばドイツ製ライカM3、日本製ではニコンSシリーズが東西で激しく競っていました。当時日本はライカ(L)マウントの互換カメラを作っていましたが、当時ニコンだけは独特のレンズマウントを採用していました。よって、ニコンSシリーズは、製造台数も少なく、貴重な存在です。そこでニコンSを代表するSPとM3の比較を簡単にしてみます。
◎距離計連動カメラの命「ファインダー」
M3の最大の特徴と言えば、なんといってもファインダーです。ほぼ等倍(0.91倍)で、明るく見易く、また実像式で距離計像がファインダー像内にしっかりとした境界 があり、距離計のフチを使っての上下像合致式でもピント合わせが可能です。装着したレンズに合わせてブライトフレーム(90・135mm。50mmは常時表示)が自動的に切り替わるのも便利です。ただし、50mmの枠はずーと出たままです。横位置では両目で見るとファインダーのブライトフレームが浮いたように見えてとても気持ちいいです。しかし、縦位置ではファインダーが薮睨みなのか、左右ずれるので気持ち悪いです。
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 一方のSPのファインダーは完全等倍で倍率ですが、接眼レンズ前に距離計像を結ばせない虚像式であるため、距離計像の輪郭はぼんやりと しています。よって、基本的に二重像合致式でしか行えません。ファインダー像全体はM3よりやや暗く緑がかった感じで、距離計像も黄色が かっています。また、視線が光軸からずれた場合に距離計像が見にくくなることもあります。しかし、縦横どの位置でも等倍かつ、薮睨みではないので両目を開けていてもすっきり見れます。 
しかし、やや暗いながらもの距離計像は意外に見易く、距離計の縁がないのも自然でわずわわしくないとも言えます。また、SPは広角35,28mmのファインダーも別に内蔵されていますので、実用上はSPのファインダーも使い易いものです。 なお、SPのブライトフレームは自動切り替えではなく、巻き上げクランク周りのダイヤルで切り替えます。


◎レンズについて
ニコンは製造期間が短かったことから、バリエーションは少なく、レンズの選択肢は限られます。M3は過去のLマウントレンズを含め膨大な数のレンズが、国産、海外製品を含めあります。しかしSPは、望遠側に魅力的なレンズも多く、SPのファインダーと相性が良いです。広角側のレンズもコンパクトで、使いやすいのがメリット。現在 国内市場ではSPのレンズのほうが広角系はお安く手に入りますが、本数が少ないのが難点でしょうか。
 レンズの絞りリングの操作は、SPのレンズは絞り指標が鏡筒と共に回転し、広角レンズ系では絞りの指標がレンズ前 にあり、不自由を感じます。50mm以上は首絞りとなっていましが、絞り指標がレン ズと一緒に回ってしまうので使いにくいのが難点です。ライカMレンズの方が有利ですね。
SPはレンズの装着に儀式があります。マウントヘリコイドを無限大にしておく必要があります。M3にはこのような儀式はりません。
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◎フィルム装填
 SPの裏蓋が底と一体になって外れるますが、ライカでは底蓋のみ外れ、裏蓋の一部のみが開きます。また、M3では巻取りスプールを外してフィルム先端を差込む方式のため、少々装填には手間が掛かります。フィルム装填で言えば、SPが断然有利です。 
巻戻しもM3の引上げノブ方式に対してSPはクランク式となっていて、SPの方が迅速な操作が可能です。
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◎その他
SPはシャッター幕がチタン製もあり、有利ですが。布膜のほうが巻き上げ感はスムーズです。シャッター音はSPのほうが大きい個体が多いようです。レリーズボタンの位置に云々ありまますが、僕は気になりません。
SPの巻き上げレバーは「ガタ」がありますが、これは衝撃を受けたときに力を逃がすような構造になっているのでしょうか。ホールド感ですが、M3の丸に対してSPは角張っておりますので好みの問題でしょう。ただし、SPは全面に段差がありちょっと持ちにくい感があります。M3は女性的、SPは男性的でどちらも良いカメラですね。

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