サン・オーディオSV-300BEの改造
■改造その1(固定バイアス化)
本機ですが300Bシングルアンプの平均は300Bのプレート・カソード間電圧が350V、電流は60mA、対して本機は270V、50mA、13.5Wですから現設計は約半分でした。実用上はダイアトーンP-610DBスピーカーが高能率なため音量不足は全く感じませんでした。計算上出力は4W程度です。球には負担が少ないのでそのほうが良いでしょうが8W+8Wが楽に出せる出力管なのにもったいないです。したがって整流管を5U4Gから内部抵抗の低い5AR4に変更しプレーと電圧を10Vあげ、バイアスもトランスを追加しC電源をかけることで、ほぼ標準的な動作点B電源340V、C電圧-74V、出力は8Wに改造しました。音が艶やかに、切れも良くなり、解像度というか、きめの細かさもぐっと増しました。高域も低域も伸びた感じです。女性ヴォーカルのしっとりとした実在感はすごいですよ。ピアノや、クラシックのヴァイオリンなども質感がぐっと良くなりました。さすがWEを感じさせる音になりました。SV-2A3と兄弟ですからドライブ電圧は十分確保できるので、初段などの回路は基本は同じでした。
■改造その2(LM317Tで定電流化)
固定バイアスが故障した場合、当然暴走します。それを防ぐために定電流回路を組み込みました。LM317Tという三端子のレギュレーターです。OUTとADJを抵抗で接続することにより簡単に定電流になします。計算は単純で1.25V÷抵抗値Ω=電流Aです。今回は200Ωを使用しましたのでプレート電流は62.5mAとなります。動作ですが、LM317の発熱を防ぐため5V程度に抑えることにしました。プレート電圧は340-5Vで335Vになります。動作は概ねロードラインからバイアス電圧-70V(C電源としては、−70+5V=−65V)程度が読み取れますので、現在の-C電源で調整可能な範囲でした。以下が回路図です。
70mA程度流して使いたいですが、電源トランスも余裕ないし、オーソドックスな電流値を選択しました。LM317の発熱ですが、5V×60mAで、0.3Wです。放熱板は要らない範囲ですね。
■視聴の結果
ダイナミックレンジが広く、低音もしまってボリューム感が出ました。音も輝きがました感じです。1000円に満たない投資ですが、効果抜群です。
上記が改造-300BEの回路図です。
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